こども110番!パッカーくん!

小学2年生の頃突然と街のゴミ収集車が名前を変えた。

ヒーロー名にしては些か愚直な名前ではあるけれど、抑止力は大きなものであった。

この年、我が小学校では不審者が多発しておりこんな私でも被害に遭い、一時的ではあるがトラウマを抱えたのであった。

友人2人と僕の家へ帰っている時にロウソクのような全身白尽くめマスクをした男に後を付き纏われたのである。不審者特有の全身黒尽くめなフォーマルセットでは無く真逆に値する白尽くめを選んだのは何か他に急用でもあったのであろうか。

子供3人、始めは何も気にしてはいなかったのであるが、子供だけが知っている裏道(謂わゆる私道)まで付いてきた時にこの異常性に気がついたのである。不審者と言えど不審とは一体何なのか、それが未だわからない歳であったから捕まったらお終い、そんな未曾有な恐怖から我先に我先にと家まで走ったのだ。

当時私の家の鍵はボタン式であり友達の前でさえ見られちゃいけないと母親にキツく言われてた事もあり、非常事態にも関わらず玄関の前に到着しても鍵を開けようとせず裏の庭に回りそちらの窓から家へと避難したのであった。

鍵を開けてくれるものだと安堵していた友人の1人はそのまま扉の前に置き去りとなった。

驚く母親を前にして庭を真剣に見つめる2人。なんと不審者が庭にまで入ってきたのだ。結局奴は辺りを見回した後何事も無かったように消えていったのであるが、その後1分後に逃げ遅れた友人が泣きながら家へと入ってきた。酷く泣いていたのでどのような状態であったか分からないがその恐怖は相当なものであろう。

母親が急いで110番をし、学校でも厳重注意されたのであった。

それから数ヶ月、例のヒーローが現れたのである。

こども110番!パッカーくん!

いざという時、どう助けてくれるのだろうか。パッカーくん諸共不審者に突っ込んでくれるのだろうか。