体調を崩し丸三日間寝込んでいた、そんな月の始まりであった。

身体の怠さは抜けてはいないが今日こそはと家を出てみる。

電車に乗り暫くすると、体が暑くなるのを感じた。

春の視線が厳しい。世間はもう春服で平日だというのに気持ちが良さそうな顔つきで満員電車を乗っている。3月に出遅れた私には何だかクラスの流行に取り残された孤独な子供のように室温とは別に熱ってしまっていた。

そういえば昨日は雛祭りだったらしい。こんな時お雛様が羨ましいと思う。毎年決まった日に決まった場所で決まったようなお台の上に飾ってもらえるのだから。とても、外界に出てなかった同じ身としても段違いである。

とはいえ私も今月から本格的に始動するのである。

事務所に無事に入り、ついに詩人としても活動していこうと思う。

ただ私の書く詩というのもまるで短編小説みたいなものが多く大丈夫なのかとも思うが。つい1年前までは物書きになろうと思っていた訳だから仕方がない。

それでも今後の私に乞うご期待である。