本心

ついに親の前で本心を言ってしまった気がする。

去年も今年も今日でさえ同じ過ちを犯した。好きでそんな事をしてるはずはない。ちょっとだけ、ちょっと変化したものに対応するのが苦手みたいだ。

 

あなたは自分一人で何でもかんでもやりすぎ、親に迷惑をかけたくないのは分かるけど逆さになって正反対の事をしてる。祖母の家へお袋と車を走らせてる時に言われた。びっくりした。らむちゃんと同じ事を言ってる。 学校も恋愛も全てまるっきり おんなじことをしているのだ。

自己完結。なんて素晴らしい事だろう。誰にも迷惑をかけずに人知れず事を成し遂げる。大人ってみんなこういう事だと思ってた。己で取捨選択、見極めて自分の道へ進む。1年前の僕も「空気になりたい」なんて言ってたが ただそれになりたかっただけなのかもしれない。

ずうっとこれを目指して生きてた。飛ぶ鳥跡を濁さずといっても 汚物を残しまくってるが。

 

彼らはいつも昔の自分と比べてくる。「いつでもどこでも何でも言う子だったって。」

そんな事を言われても普段なら僕は何も言わない。癖になっている。だけど昨晩ついに親の前で口を開いてしまったのだ。

 

実のことを言うと僕は昔から何にも変わってない。 脳みそが引っ付いただけで言うべき場合と言わない場合と使い分けてるだけだ。 負け戦はしっかりと負けるし、勝ち戦ならばとことん根絶やしにする。 家ではほぼ2億パーセント父の発言が正しいと思ってるから何も言わないだけで、友人や学校では言ってるほうだ。 特に高3の文化祭。 死力を尽くして3年走り続けた集大成の後夜祭で、欲がぽっと出て2曲やろうとした時、やる気のない他の部員に反対された。 だがその時に自分でも覚えていないほど饒舌になって言い負かせたことを覚えてる。

 

嫌なものは嫌だ。わがままに聞こえるかもしれないけれど本心でそう思ってる。

簡単な話で言えば流行りの邦楽バンドを聴いてる奴らを下に見てるし、右翼左翼で互いに揚げ足取ってる奴らなんか蛆虫だと思ってる。そいつらに何か言われたら100パーセント言い負かす自信があるし、そうなれる日々を送ってきた。 だから安心してください、僕はただ気が弱くなっただけではありません。

 

母親はポカンとした表情だったが、父親は頷いて何となく安堵した表情だった。

次男というのは甘やかされて育つものだから何にでもなれる。この先に君がどんな風になろうと僕は応援するよ。

父に言われたこの言葉が今日もずぅっと頭を駆け巡ってる。

 

 

その後、何だか気分が良くなって雨の中1人で北口をうろちょろしていた。この2週間は色々と吐き出せた気がする。とっても気持ちが楽だ。