下津と光史

踊ってばかりの国、秋のワンマンツアーに行ってきた。

今や小山田壮平くらい下津光史を崇拝している僕だが2年ぶりに聴く彼の音楽は相変わらず格好良かった。

実を言うと2019年になってからあまり踊ってばかりの国は聴いていなかった。単に引き籠っていたこともあるが音楽自体下手に手を出せない、後で振り返ってみた時に辛い記憶とともに汚されてしまう恐怖心があったからだ。

数ヶ月前に発表されたghostは何故かアホみたいに聴いていたがその他は以ての外、新アルバムをリリースいていたことすら知らなかった。(大体Officialウェブサイトに記載されてないのもどうかと思うが)

一緒に行く予定だった友人に前日でドタキャンされ渋々チケットを譲ってほしいと言ってきた女とその連れの男と行った。

今年で30歳の男はいつまで経っても僕に敬語だった為、全然仲良くなれなかったが女の方とはそれなりに親しくなった。彼女は荒れに荒れた高校出身で自分の姉が狭い部屋で爆音で流してたHiGEに影響を受けて音楽を好きなったそうだ。それから音楽にどっぷりと浸かり姉の影響以外で初めて好きになった音楽が踊ってばかりの国でそれなりに思いがあるらしい。

そんな彼女もこの2年間踊ってばかりの国から離れていたそう。なんでまた聴き始めたの、そう聞いてみると新曲の光の中にが良すぎて復帰したと言ってきた。

ライブはもう凄まじく楽しかった。この2年間で相当人気になったみたいで東京キネマ倶楽部がほぼ満員だった。とにかく踊りたかったから喫煙スペース近くで煙草を咥えながらウキウキで踊った。

2年前見に行った時はトゲトゲしていて如何にもロックスターだった下津もとい踊ってばかりの国だが、最近は大分丸くなったみたいで幾分か大人しくなっていた。と言っても前アルバム君のために生きていくねからそんな感じだったが。

このワンマンの目玉であろう光の中にを披露する前、下津は「俺も人の子だった、だけど今は人の親になっちまった」と語っていた。小田和正みたいなサビだったが彼女が気に入ってる気持ちが分かった。今の下津の音楽は、小山田壮平みたく何でも優しく包み込んでくれる太陽みたいな音楽ではなく、どうしようもない人たちに希望や光を与えてくれるような安心感がある。酔っ払ってこれを書いている僕がいうのだから間違いない。

やっぱり下津光史は格好いい。