ばあちゃんち居候けいかく

ううむ、環境を変えねば。快適すぎるこの環境、風呂上がりにビールも飲めるし美味しいご飯まで勝手に出てくる上に可愛いにゃんこまでいる。ずっとこんなところにいたら手足が捥げるぜほんま。口がパクパク動くだけの肉ダルマになって太ってゆくだけだから。

だから今日の昼間、祖母の家に行ってここで暮らしていいかと頼んだ。人に何か感謝されることをもう3年以上もやっていないから、飯だけ食わせてくれれば掃除も買い物も何でもするからと。

すると崖みたいに急な階段を登り、曽祖母が過ごしていた部屋に案内された。5年前、102歳で死んだあの時から何にも変わらない部屋の中で祖母が「人間の食べ物だったらだせるよ」と嬉しそうに言った。明日からお世話になります、と真剣な表情で言ってみたら「次逃げ出しても茅ヶ崎くらいにしか親戚はいないもんね」と笑いながら言われた。怖い。